映画野郎とアメコミミーハー男

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マネーショート 華麗なる大逆転

おはようございます。久しぶりのムービージャンキーでございます。

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今日は昨日のレイトで見た”マネーショート〜華麗なる大逆転〜”について語っていこうと思います。この作品、filmarksなどのレビュー見ると「意味不明」「最初から最後まで難しい経済用語のオンパレードで内容をつかめなかった」などの意見が目立つ作品ですね。

僕の評価ですが、この作品は僕の映画ランキング暫定トップ3には確実に入っています。すごく面白かったです。まあ面白いって表現があっているかはわからないんですが、見てて興味を惹かれる作品ですね。それでは語っていきましょう。

 

まあこの作品、何と言っても特徴は豪華なキャストでしょう。そして監督は”俺たちニュースキャスター”最近では”アントマン”の脚本を担当したアダム・マッケイ。コメディ色の強い監督に、スティーブ・カレル。これはコメディ映画なのか?って錯覚していましたが、しっかりとしたメッセージを強く発信する映画でした。しかし、さすがコメディの監督だって思えるシーンがあったりするので、この人選は当たりだと思います。そして豪華キャストですね、クリスチャン・ベール、スティーブ・カレル、ライアン・ゴズリング、ブラット・ピットが主な登場人物ですね。この4人の演技は素晴らしかったですね。特にスティーブ・カレルは良かったです。怒り、苦悩の演技、特に日本食屋さんでブチ切れるシーンが凄まじいです。クリスチャン・ベールアカデミー賞にノミネートされているだけあって役へのハマりっぷりは最高ですね。脚本も見事ですが演技も見事な作品でした。

 

次にコメディ色のあるシーンですね。この作品の面白いところは何故か登場人物がカメラに向かって喋ってくるところですね。その喋りかけてくる言葉は難しいけど重要な経済用語の解説だったり、すごいどうでもいいことを喋りかけてきたりします。笑

この説明をするのが全く関係ない著名人。しかも、本人の役として登場します。この中にマーゴット・ロビーが出てきて、しかも入浴中だったり。。。と所々、ツッコミたくなるようなシーンで笑ってしまいます。ここはさすがアダム・マッケイですね、ただ淡々と経済についての話をしても面白くないと思ったなのかジョークを入れてきます。ここがアダム・マッケイを起用して成功した点の一つですね。

 

そして、意外にもこの映画、かなり強いメッセージを示します。この作品で面白いなって思った構成の一つに冒頭からメッセージを提示してしまうところですね。最初に出てくるマーク・トゥエインの名言「知らないことは厄介なことではない、知らないことを知っていると思い込むことが厄介なのだ。」この名言が作品の提示する一つの大きなメッセージとなっています。このように名言を使いながら作品が発するメッセージを伝えていくわけです。難しい用語がたくさん出てくる意味もこの中の名言にある「ウォール街は一般人には難解な経済用語を使い、一般人を煙に巻く」というメッセージの体現なんでしょう。しかし、このことが低評価の原因となってしまっています。

この作品、実は邦題詐欺なんですよね。”華麗”でもないし、”大逆転”もしてないんですよね。リーマンショックを理解している方はわかると思うんですが、痛手を食らったのは貧困層や銀行員なんです。結局、元凶はなんも痛手を食らってないんです。これを理解せずに”オーシャンズ”シリーズみたいな作品だと思ってみると裏切られます。

 

そろそろ、まとめます。この作品で監督がやりたかったことは、コメディ風に経済の出来事を見せることで多くの人にリーマンショックの出来事を理解してもらいたかったということもあると思いますが、この作品のレビューでとてもよく目にする「意味不明」だったという言葉が差しているように意味不明な出来事でもしっかり首を突っ込んで知ろうとしなきゃ痛い目食らうんだぞってことが監督は言いたいんだと思います。つまり分かんなくても頭回転させとけばストーリーは理解できます。みなさんも知っているつもりのことの現実を知ろうとする体験をしてはいかがでしょうか。僕はこの体験ができたことがこの作品を見た大きな価値だと思います。

 

それでは、良い休日をお過ごしください。